今回この記事でご紹介しているエアガンは「KSCのH&K MARK23 ソーコムピストル(ガスブローバック)」です。
モデルは「ハードキック05タイプ(最終型/改良ユニット搭載)」になります。
Mk23やSOCOMとも表記されたりしますね。
ちなみに私が所有するのは「スライドのみHW(ヘビーウェイト)でディープ・ブラック・コーティングが施されたコマーシャル(民間)仕様」のモデルです。
(※ソーコムピストルのシリーズ自体どれも既に製造が終了してしまっている商品ではあります)
・2023年3月:追記
↑CO2化されて再販された模様です!
コネクタープラグ選び
サン・プロジェクトのコネクタープラグ「SP-24-1」がKSCやマルシンに適合するとの事で購入してみました。
無事にこちらのKSCのMk23ソーコムピストルのジンクマガジン(亜鉛合金製で最後に発売された型)に接続できました。
(実はソーコムのマガジンは外装がスチールプレスの古いタイプのものもあるそうですが、そちらは持っていないので適合するかは分かりません。)
この商品の注入バルブのネジの径やピッチはM5の0.5です。
メーカーや製造時期によって注入バルブが異なるようですが一応「マルイやマルゼンがM4.5の0.5」「ウエスタンアームズやタナカ、海外メーカーのWEやVFCなどがM5の0.8」だそうです。 基本的にはです。
今回「KSC・マルシン用」となっていたものを購入して無事に取り付けできた訳ですが、いくら「◯◯のメーカー用」と書かれていても製造年やモデルによってはネジ径やピッチが合わない恐れもあるとのことでした。
販売ページで他のレビューを書かれていた方の情報も参考にさせていただこうにも「どの年代やどの機種なら適合する・しないのパターンがよく分からない」といった印象を持ちました。
とにかく、プラグを接合予定のマガジンの注入バルブのネジ径をデジタルノギスで測ってみて「これはM4.5かな?」とか「これはM5かな?ピッチはネジ山が細いので0.5かな?」などと予想してみるのも良いかもしれません。
ちなみに、ホームセンターなどにもM5のネジやボルトが売られていますが、そのネジのピッチが明らか分かるなら、そのネジをマガジンにスムーズにねじ込めるか試してみる方もあります。
一応、市販のM5のネジ自体はピッチ0.5のものもピッチ0.8のものも存在はします。
(他にもマルイのマガジンのようにM4.5のネジ径ならM5のネジは径が大きくて明らかに入らない訳ですから、事前に自分で実験するのも面白いです。)
このKSCのソーコムピストルの製品シリーズにはシステム7は存在せず、05ハードキックのモデルが最後になっています。
もちろん予想なので全ての注入バルブ径や適合を確認した訳ではありません。
必ず購入前に取り付け予定のマガジンから注入バルブを外し、可能ならデジタルノギスで内径を測って予想してみるとか、マルイ製品の注入バルブを試しに入れてみてガバガバかどうか?とかチェックしてみるとよいと思います。
実際に購入したアマゾンの販売ページのリンク↓
(いつもお世話になってます)
肝心のコネクタープラグの製品自体については特に何も問題なく、エアー漏れは今のところ起きていません。
単体では約1000円ですが、仮にOリング(ゴムパッキン)が劣化してもそれを取り替えるだけでプラグは半永久的に使えそうです。
とても良い買い物でした。
ブローバック不具合解消
過去にYouTubeで紹介した動画でも起きていたのですが、BB弾を入れた実射でもBB弾を入れない空撃ちでも「(時々)生ガスを吹きながらの発射になったり、2点バーストになったり、挙句にガスが無くなるまでスライドが半開きになったまま・・・」という不具合を抱えていました。
その様子は動画の3分55秒辺り〜にも映っています。↓
結論として
原因は「インパクトハンマーの戻りが悪い(不十分)」という事が判明しました。
私の所有する個体で直した方法は「インパクトハンマーレリーズ(パーツNo.67)」に細工をしました。
具体的には「インパクトハンマー(パーツNo.64)と接触する「インパクトハンマーレリーズ(パーツNo.67)」の軸に被せ物をした」というものです。
修理後に快調に作動する動画も下記に添付しておりますので、お楽しみに!
ちなみに・・・
↑取扱説明書にもあるように、ブローバックの不具合の原因の一つとして「ブリーチスクリューの緩み」があります。
しかし今回の不具合では念の為に分解して調べても、このブリーチスクリューやリアサイトスクリューの緩みはありませんでした。
(数年前にオーバーホールした時にしっかりネジロック剤を塗布しておりました)
「もしかしたらブローバックユニットなどの中にゴミでも詰まっているだろうか?」とも疑いましたが、今回これらは関係無かったみたいです。
(心当たりがある方のみチェックしてみるとよいかもしれません。)
↑こちらが取扱説明書のパーツリストです。
↑「インパクトハンマーレリーズは67」で「インパクトハンマーは64」です。
この67のパーツのシャフト状になっている部分は段差がありますが、注入バルブを叩いた後のハンマーを元に戻してやる働きをしています。
67のパーツが64のパーツを下から押し上げる仕組みです。
ソーコムピストル自体が新品だった場合は問題なくても、使っているうちに色々と磨耗や消耗が発生したりで不具合が起こる事もあるようです。
↑この個体の場合はスライド側のブリーチにある段差(ブローバックでスライドが後退した時に67のインパクトハンマーレリーズを動かす)が微妙に削れていき、それが
インパクトハンマーレリーズ(67)の動作が不足(微妙に足りない)
↓
インパクトハンマー(64)の戻りが不十分
↓
ブローバックが終わったのに微妙にまだ放出バルブが押されたままになっている
↓
2点バーストや生ガスの放出
というような結果に至っていたようでした。
【ご注意】
この記事で記載・言及している内容はあくまで「私の所有する個体はこの方法で改善した」という主旨を紹介しているのであって、全てのKSCソーコムピストルのユーザーの皆さんに当てはまる保証はありません。
また、当記事内容と全く同じ不具合を持っておられる方が、この方法で修理を試みたからといって絶対に直る保証もありません。
下手すると「全く同じ方法なのに更なる故障を招いた・・・」という事態も絶対に起きないとは言い切れません。
当方に悪意が無くとも一応そういうものだとご理解ご了承下さい。
なので、この記事を参考にされる場合は絶対に自己責任でお願いします。
勘違いして攻撃的な責任転嫁や感情的なクレームを行うような方は閲覧をご遠慮下さい。よろしいでしょうか。
↑今回の修理に使用したのは外径4mm、内径約2.5mmのアルミパイプです。
これを幅約3mmにカットし、内径を3mm径のドリルで約3mmに広げてやります。
67のインパクトハンマーレリーズの太い軸が直径約4mm、段差があって先の細い軸が直径約3mmとなっており、この段差をいっそ無くしてしまうイメージです。
↑今までより67のインパクトハンマーレリーズの軸先の直径を太くして、64のインパクトハンマーを押し上げる量の回復を狙う訳です。
この補修素材が出来たらフレームからスライドを外した状態で装着を行います。
↑実はシャーシの方もフレームから取り出したりせず、最低限のパーツ取り外しで構いません。
よって難易度はそこまで高くないと思います。
↓パーツを分かりやすくする為もう一度パーツリストを載せておきます。よろしければご参考に。
※念の為もう一度言いますが、今回の修理ではこのパーツリストのようにバラバラに分解しなくても大丈夫です。
(この機会に完全オーバーホールしたいなら別)
↑まず「67のインパクトハンマーレリーズ」の隙間から「71のシアーピン」を抜きます。
(64が外れさえすればOK=最後まで抜かなくてよい)
↑「72のシアースプリング」をマイナスドライバーなどで押し下げながら「66のインパクトハンマーガイドピン」をズラすか抜きます。
↑一応「66のインパクトハンマーガイドピン」はこんなパーツです。(先端が上向きに反れている?)
↑「64のインパクトハンマー」を取り出します。
※「64のインパクトハンマー」の中に「65のインパクトハンマースプリング」が入っていますが、絶対に無くさないように!
↑問題の「67のインパクトハンマーレリーズ」を起こしながら先程の「アルミパイプで作った補修パーツ」をピンセットで軸先端にはめ込みます。
少々緩くても大丈夫そうですが、もちろんアルミパイプは軸に対してややキツめ=少しの力ではズレない抜けづらいに「カシめておく」に越した事はありません。
他にもネジロック剤(後で簡単に剥がせる)を塗布しておくとか、できるなら何か工夫しておいた方が尚良さそうです。
(全く外れなくなるような過度な接着は不用かもしれません)
・全て元通りに組み直して直ったかの確認へ
【補足1】
元に戻す時は、先に「66のインパクトハンマーガイドピン」を戻して「72のシアースプリング」でテンションを掛けていると「71のシアーピン」が非常に収まりにくい感じでした。
「66のインパクトハンマーガイドピン」は最後に挿入するのがオススメです。
【補足2】
「65のインパクトハンマースプリング」ですが、「64のインパクトハンマー」を“戻しやすくしてやる”という意味では、このバネが純正品よりやや強いものがあれば理想です。
これと同じ外径(64の溝にピッタリ収まる)のバネで、尚且つ線径が少し太めのものがもし何かのジャンク品から持っていたなら試しに交換してみるのも良いかもしれません。
↑画像上側のバネが純正品、ハンマーに装着しているのが何かのジャンク品から取った「少し強めのバネ」を同じ長さにカットしたもの。
ただし、このスプリングは純正より強過ぎても弱過ぎてもほぼ確実に不具合が発生しかねません。
また、カットした先端が変な方向に向いたまま組み込むと動作不良を起こしますので慎重に。
あくまでも「(交換するなら)同径でやや強いバネでないといけません」という話でした。
(もちろん65が純正品のままでブローバック不具合が直ってくれればそれでいいのですが。)
【組み込み後の動作確認について】
※加工したアルミパイプ組み込んだからといっていきなりガス圧で作動させず「手動でスライドを引き、トリガーを引く」を繰り返してみて、本当に引っ掛かりや動作不良が無いか確かめましょう。
マガジンを装填していない状態から中を覗いてみて「インパクトハンマーがハンマー打撃時に飛び出ていて、スライドを引いて戻した時にインパクトハンマーが引っ込んでいるか?」それが一番重要だと思います。
修理その後
あくまで私の所有個体の話ですが、実は最初の方の作動は数発でスライドが少し開いた状態でロックしてしまい、そのまま放出バルブが開いたままガスが「シュー・・・」
これには少し焦りました。
中の何かが引っ掛かったような状態で(マガジンは抜き取れますが)スライドストップを外す位置までスライドを動かす事ができなくなりました。
トリガーやハンマーは動かせるので、何回もダブルアクションでガチャガチャやっていると、何かの拍子にロックが外れました。
確かに2点バーストは直ったものの、やや複雑なトリガーユニットには完全に自信が持てないままです。
とりあえず諦めずに空撃ちでバシバシ作動させ続けていたところ、先程のような症状は起きませんでした。
もしかしたら、可動部の“当たり”が出ていなかったのかもしれません。
(もしくは何らかの引っ掛かりが数回の作動や衝撃で取れた?)
パーツとパーツが擦れる部分が何らかの理由で“引っ掛かり気味”になっており、いわゆる“慣らし”が終わらないと調子が出ない・・・というのは機械などメカ全般には起こり得る事でもあります。
例えば原付バイクでもボアアップのピストンとシリンダーを新品で組んだら、最初はピストンリングとシリンダーの摺動部がややキツめで“当たりが出ていない”なんて事もあります。
これは慣らし運転で適度に磨耗する事により調子良く動くようになるといった具合で、適当な例えではありますが、今回の修理後のいきなりの不具合は一時的なもので済んだようです。
もちろん「また何か不具合が再発、または新たな不具合が出てきたら嫌だなぁ・・・」という不安が全く無い訳でもないですが、この記事で紹介した方法によりブローバックは最終的には快調へと回復する事ができました!
とりあえず現時点では500発以上作動させても問題ありませんでした!
追記:1000発近く作動させた辺りで1度、トリガーが引ききった後の戻りが悪い事がありました。(すぐに直る)
追記:1200〜1300発近く作動させた辺りで1度、スライドがロックした事がありました。(すぐに直る)
追記:1700〜1800発近く作動させた辺りで何度か、ダブルアクション(事前にデコッキングレバー使用)で反動がショボい事がありました。何度か繰り返しましたが、快調な時もありました。
※シングルアクションだと全く起きない。(直ったか不明→できるだけハンマーは起こした状態で撃つ方針に)
それでも、今のところ修理前より(基本的に)快調に作動し続けております。
また、修理前に起きていた2点バーストは全く起きていません。
とりあえず「たまに軽微な作動不良は起きてしまうが、それも許容範囲。例え実銃であっても中には扱いが非常に難しい機種もある。(オートマグ44など)」というつもりで作動を楽しんでいます。
※だからといって今後も不具合が発生しない保証はどこにもありません。
↑修理後に外部ソースで作動テストした動画です。
考察:このガスブローバックはガス圧が高過ぎても低く過ぎても(例えば東京マルイのガスブローバックと比べて)作動不良が起こりやすいのではないかと思いました。
特にリキッドチャージ(HFC-152a)を使っていた頃、マガジンを温めないとブローバックがショボく感じ、マガジンを少しでも温め過ぎるとブローバックは快調でも時々は何かしら作動不良が起きたりはしていました。
この個体が元々中古品だった事もあり、それが主な原因かもしれませんが、もしかしたら新品であっても「作動に対してピーキーな銃」なのかもしれません。
今後もし何か進展があれば追記しますが、もし同じ症状を抱えて悩んでいらっしゃる方がいましたら、何が少しでも参考になってもらえたら幸いです。
社外品のリコイルスプリングセット
↑私の所有するソーコムには「プロテックのスーパースピードリコイルシステム」という商品名のリコイルスプリングセットを装着しています。
↑おそらくリコイルスプリングは「引きが軽くて押しが強い」不等ピッチのバネで、組み込みは「巻きが粗い方が先端」にセットするとの事です。
スプリングガイドの根元の方にはベアリングの軸受け、そして任意の枚数で樹脂製のカラーを取り付けます。
その他コメント作成中・・・
おまけ
ありがとうございました。