ファインモールド 1/72スケール「試製 景雲」ベース
(※架空機)
海軍航空技術廠(空技廠)「景雲12型」“試作実戦転用機”
37mm機関砲搭載/D1暗緑色迷彩
※説明書の塗装指示とは所々違った「わざとらしい」仕様にしております。(あくまで存在しなかった機体)
【仕様】
貴重な試作機の内1機が度重なる改修を受けた末、排気タービンの問題も解決。
本来の性能が発揮された。
また、長距離偵察だけでなく爆撃機への攻撃も可能となった(つもり)。
・ややズームアップ
武装:37mm機関砲×1門(モーターカノン式)
・ローアングルから
【塗装】応急迷彩:D1暗緑色
元々「試製 景雲」の名前の通り試作機であり、全体がオレンジ色(練習機および試作機に定められた色 ※味方識別帯の黄橙色とは別物)であった。
それを応急的に暗緑色が塗り重ねられて迷彩効果を狙った(上空から見て地上撃破されにくくする)とされるが、戦争末期の資材不足によりD2暗緑色ではなく(比較的余っていたであろう)D1暗緑色が使用された(つもり)。
エンジンカバー部分は、当時では放熱効果が期待されて黒色または黒紺色(いわゆるカウリング色=零戦などのカウル色の象徴となっている)にあえて塗装。
味方識別帯は「そもそも試作機のオレンジ色が目立っているから」という理由と工程簡略の為に省略された(つもり)。
※このプラモデルはオーバーコート(クリア塗装)は施しておりません。
塗装面をスポンジ研磨剤で擦っていくと自然に艶が出てきましたので、そのままにしています。
・付録:プラモデル業界の「黄橙色」について
※私の解釈では練習機&試作機の色と、味方識別帯の色は別物だと考えています。
↑練習機&試作機:かなりオレンジ色(味方識別帯の黄橙色より赤い)
↑味方識別帯:黄色〜黄橙色(それぞれの塗装現場の判断でイエロー寄りの色から割とオレンジに近い黄橙色があった模様だが、練習機&試作機のオレンジ色よりは赤くはないかもしれません)
助言をくださった私の友人(ヒヱン氏)、本当にありがとうございます!
・その他
↑排気管は別パーツで再現しました。
↑機体銘板は元々オレンジ色だった機体の頃のもので、D1暗緑色が上塗りされる際にマスキングされて残された再現です。
尻餅防止尾輪も別パーツにしました。
↑右側主翼。主翼の日の丸のみ白縁が一緒にD1暗緑色で塗り潰された仕様にしました。(理由は真上から見た時に目立たなくする目的か?)
燃料注油の蓋らしき部分は赤で着色。
ピトー管と翼端灯も自作で別パーツです。
※翼端灯はカバーに色があるタイプではなく、透明カバーに中の電球に色がある仕様にしました。
・製作記録(2023年3月頃着手)
↑機体内部塗装は最初にE3淡青透明色、その上にM1淡緑色が塗られる予定だったのを想定しています。
しかし、今回は(スミソニアン博物館に眠る「愛知 流星」のように)ほとんど青竹色(戦争末期の工程簡略)でいこうと決めました。
↑※前操縦席の後方席は茶色は間違いです。
本当は折り畳み式(パイプ椅子みたいな?)座席であり、私は座布団みたいなクッションを想像してしまってました・・・。(普通に考えて背もたれ無しの座席なんておかしいやんけ!)
↑ニッパーで細切れにした鉛のおもりを入れていたので自立は大丈夫でした!
↑今回はUVレジン液を直接垂らして削ります。
↑翼端灯カバーを色付き(赤・緑)にするなら、最初からUVレジン液に着色しておけば良かったです。(今回は翼端灯カバーは透明で中の電球が色付きの想定)
・Twitter投稿
↑投稿日から2月半ば過ぎなのが分かります。
↑胴体下部の主翼接着箇所は段差が結構出ます。
白パテだけではパサついて削れ弱いので瞬間接着剤を混ぜて盛り、一部だけ凹まさないよう平面を維持します。
毎回サーフェイサーでチェックは大変ですから、黒いマジックで塗っては削って満足いくまで繰り返しです。
※タミヤセメントといった溶剤系接着剤、パテ系は数週間後にヒケてくる事が大半なので、私は今後は瞬間接着剤を使用する事にしました。
↑モーターカノンへ改修中・・・
↑ブレーキホース再現(0.5mm銅線)とホイールカバーを自作・追加する事にしました。
白いプラ板で一番薄いのから切り出しており、これを試作機オレンジ、回転するホイール淵はシルバーにしようかと思います。
あと、胴体上部に変なもんが・・・正体はキットには無い「1/48 P-51Dマスタング」の余りもののループアンテナを強引に流用したものです。
↑同じく1/48マスタングの増槽を強引に取り付けました!
【ウォーサンダー】
ゲーム内の立川「キ94-2」も試作機の色(黄橙色よりはオレンジ寄り?)の上に暗緑色を応急塗装したと思われる仕様で、今回の景雲(プラモデル)の配色にも少し参考になります。
ただ、味方識別帯(黄色〜黄橙色と様々の説)は省略されているのも気になりますが・・・(既に下面が目立ってるからでしょうか?)
↑「練習機&試作機のオレンジ」とされる色は、タミヤの水性アクリル塗料の色味を検討中。
クレオスのラッカー塗料には絶妙なオレンジが売ってないので、黄橙色とオレンジ(タミヤより全然赤い)で作ろうと思います。
水性は塗膜に苦労しそうで使いません!
↑オレンジ色の調色と、重ね塗りの発色テストをした時のものです。今回はこの色合いで決まりました!
・下面のオレンジ色塗装
↑下面を練習機&試作機用とされるオレンジ色で塗装しました。
味方識別帯の黄橙色より赤めです。
橙系は塗膜を重ねないと発色に苦労する(凄く大変=頻繁にはやりたくない)が、これも特別な感じがして個人的には面白いです。
他も指定色とは違う「わざとらしい」仕様にしました。
↑タミヤ1/48 “スーパー疾風”と同時進行中。
↑自分の中のイメージで左が「D2暗緑色」で右が「D1暗緑色」です。
景雲の塗装「濃緑“黒”色」はもしやD1であった可能性もありかと思い今回採用。
個人的に水性ならXF-11がかなりイメージ通りです。(あの進駐軍撮影の廃棄された零戦、雷電、銀河などの写真)
↑今回はD1暗緑色を採用。
ちなみにXF-70はD2のイメージでクレオス「川西系」とよく似てる印象です。
※両方ともH-59を少々追加調整済
※1/48の木製テーブルと計器盤土台はプラ板やプラ棒で自作しました!
実は「タミヤ疾風」の計器盤デカールがお亡くなりになった為、土台を灰藍色で塗って「ハセガワ紫電改」の余りデカールで代用=でっち上げて少しでもマシな仕様に。
初のマークセッター良かったです!表面はクリア塗装で保護済み。
↑先にエンジンカバー部のカウリング色とコックピット前の防眩色(両者同じ塗料)を塗ってあり、マスキングしています。
↑下面色との境い目はマスキングゾルにしました。
最初はマスキングテープも考えましたが、多少ガタガタした線を狙いたいのでお試し。
上面の日の丸は「最初に塗ってあった」のつもりで、そこを隠して暗緑色を塗ります!(カウリングは戦時中当時に放熱効果が期待されていた紺黒色)
↑※後で胴体の日の丸の位置や大きさは修正する事になりました。
↑境目らマスキングテープでやろうか迷いましたが、結局マスキングゾルで。多少ガタガタも狙います。
↑特に機体銘板の部分は「元は機体全体がオレンジ色だったのを暗緑色で覆った」仕様を再現したかったので、先にデカール貼ってクリア塗装保護し、長方形でマスキングしていました。
ラダーも「元はオレンジ色アピール」のつもりです。
↑脚庫内も独自にE3淡青透明色の仕様にしました。
↑暗緑色の色合いは写真を見栄えの都合で明るめ調整していても、肉眼では結構「どす黒い」です。
↑↓窓枠の縁はM1淡緑色でタッチアップです。
↑↓※この時点で胴体の日の丸は修正していません。ご注意下さい。(後述)
・6枚プロペラ
↑プロペラブレードの警戒線(黄帯)は余りデカールを切って再現しました。
1/48なら幅約1mmで済む一方、1/72なら幅約0.7mmになる計算です。
(今回こそ塗装ではなく)マークセッターも使ってみたかったので多少面白かったですが、作業が細か過ぎる点では大変でした!
↑ちなみにマークセッター(デカールのり)は糊の成分が残って一部テカッてしまうので、同液をティッシュや綿棒に含ませ「溶かすように」拭き取ると良い感じです。
デカール乾燥後は除菌アルコール(脱脂)で軽く拭いても剥がれたりせず。
後はエアブラシのクリア塗装で保護して磨きます!
↑デカール乾燥後、セミグロスクリアで保護して研ぎ出しです。画像は右の3枚のみ仕上げ済み。
・風防(キャノピー)
↑元々浅くスジ彫りは入っていましたが、ニードルとエッチングソーを使って「深くシャープに」を狙います。
↑端っこの曲面はダブルのニードル(製図用コンパス?)で片方を引っ掛かけて慎重に彫りました。
全体を最初800番のスポンジ研磨剤で擦ります。(表面の微妙なヒケも取れます)
↑※ルーターの回転速度は最低限にしないと摩擦で溶けて大きなエグれ傷が付きます!(過去に練習用の不用キャノピーで経験済み)
・風防のマスキングと塗装
↑セロテープでマスクした後、露出した窓枠部分のみスポンジ研磨剤で足付けしました。(画像ではセロテープも足付けされてしまって分かりづらいが、マスキングに影響は無いです。)
↑オキサイドレッド(本物では防錆塗料)をオレンジ色の発色の為にも下塗りしました。昆虫みたいです(笑)
↑後でマスキングを剥がす時に塗膜が一緒に持っていかれないよう、エアブラシ吹き付けはザラザラになるように(ベターッと濡れないよう)注意して塗装しました。
↑ザラザラ吹きしたおかげか、マスキングを剥がして塗膜が持っていかれる事はありませんでした!
スジ彫りしていますのでスミ入れも可能です。(本物はこんな風に見えないでしょうが、あくまで模型的演出)
・胴体の日の丸
↑塗装図通りに日の丸を描いてみた訳ですが、実機写真や他の方のプラモデル作例を見ていても、自分のは何となく日の丸位置が下過ぎるような・・・。
↑う〜ん・・・。何度見ていても自分では「何か惜しい」感じがしてなりません(笑)
↑また、日の丸自体も小さい気もしましたので独自に変更です!
↑納得いきそうな大きさの切り抜きマスキングテープで仮の日の丸の直径を見ました。
↑納得いきそうなので、このように塗装からやり直す事にしました!
・完成間近の写真
↑あの胴体の日の丸は大きく修正され、個人的には満足しました!(まだ塗膜は未研磨)
・完成前の最後の写真
コックピット内は基礎が青竹色、淡緑色で一部タッチアップ、操縦席だけシルバー(無塗装再現)など、戦争末期のどさくさ(手抜き)仕様としました。
37mm砲をモーターカノンとした為、右側にオフセットした照準器も装着です。
プロペラスピナーは装着したらキツキツで、しかもオレンジ色の塗膜を厚くしないといけなかったのでペリペリ剥がれてしまいました(笑)
プラ地肌が見えてしまったのでシルバーと小豆色でタッチアップして「チッピング」したみたいに修正済み。
(スピナーは小豆色で納品されて現場でオレンジ色が塗り重ねられた設定)
製作記録は以上です!
・おまけコーナー
【メーカーさんによる実機とキットの解説】
↑ファインモールドの社長さんご自身が景雲の実機とプラモデル商品化のロマンを語ってくださっている動画です。
(私自身も景雲のプラモデル製作を振り返りながら全部観させていただきました。)
当時の全く新しい航空機開発に挑む技術者達の挑戦、他のメーカーが作らない機体をキット化したいという社長さんの挑戦など、素晴らしいお話が聞けて大変面白かったです。
この場をお借りして動画をご紹介させていただきましたが、キット発売やご解説も本当ありがとうございました!
【4枚プロペラの無塗装(再現)の零戦】
↑ハセガワ 1/48の零戦21型にタミヤの雷電21型のプロペラと強制冷却ファンを装着してみました・・・!
【青竹色スミ入れ】
↑テストとしてタミヤ 1/48の雷電の動翼部分のモールドに、メタリックブルー(エナメル塗料)をスミ入れしてみました!
↑どれも1/100スケールでメイド・イン・チャイナになりますが、雰囲気は充分十分再現されている感じがあって気に入りました!
↑洋上迷彩セットで、三菱F-2とF-4EJ改ファントムIIです。
↑国産ジェット機のセット!
三菱F-1、三菱T-2(高等練習機)
ありがとうございました!